屋根カバー工法を徹底解説！費用や選べる屋根材は？

HOME
屋根カバー工法を徹底解説！費用や選べる屋根材は？

　屋根リフォームと言えば、屋根塗装が頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。経年で汚れてしまった屋根でもリーズナブルに美観を回復できる方法です。
　しかし、ある程度築年数が経ち、すでに雨漏りを起こしている屋根などは塗装では解決できません。

　そんなケースで検討したいのが「屋根カバー工法」という屋根リフォームです。屋根を葺き替えるよりも工期や費用を抑えられるので、近年では定番の屋根リフォーム方法となりました。
　今回は、屋根カバー工法の施工方法や特徴、向いている屋根材や注意点などについて詳しくお伝えしていきます。
　雨漏りをはじめ、「屋根の不具合が気になる」「そろそろ古くなってきた」など屋根リフォームをご検討の方は、ぜひご参考ください。

　屋根カバー工法とは、現在の屋根材の上から新たな屋根材を載せてカバーしていく屋根リフォームのことです。“屋根工事”と聞くと
　「古い屋根を壊さないといけないの？」
　「大がかりな工事になりそうで決心がつかない」
とお考えの方もいるでしょう。

　古い屋根を壊して新しい屋根を設置する「屋根葺き替え」と違い、屋根カバー工法は古い屋根の「取り壊し・撤去」はせずに新しい屋根材にすることができます。

　屋根カバー工法の具体的な手順や、メリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

カバー工法の実例と施工手順

　雨漏りをきっかけにお問い合わせをいただき、カバー工事でのリフォームとなりました。

　屋根カバー工法で撤去するのは、屋根材のてっぺんにある「棟板金」、その棟板金の下地になる「貫板」です。めくってみるとやはり雨漏りにより貫板が濡れていました。
　このとき雪止めが設置されていれば併せて切断します。

　既存の屋根材の上から、新しい防水紙を設置します。軒先から防水紙を敷くことで、屋内への雨の浸入を防ぐことが可能です。棟や谷などへは２重３重に重ね防水を強化しました。

　防水紙の上から、新しい屋根材を葺いていきます。これも軒先側からビス及び釘で留めていきます。ここで使用している屋根材はアイジー工業のスーパーガルテクトです。雨が浸入しにくいようジョイントにも工夫がされています。

　新しい貫板、棟板金の設置です。貫板は木製のものが一般的ですが、腐食しにくい樹脂製のものが選ばれることもあります。
　棟板金はガルバリウム鋼板を使用しました。

　板金同士が重なり合う部分から水分が浸入することのないように、さらに隙間をコーキングで埋めます。

　屋根カバー工事で雨漏りが解消され見た目もきれいな屋根になりました。カラーは「シェードブルー」です。お客様にも「綺麗ですね！」とお喜びいただけました。

　大規模な屋根リフォームとなると、「屋根葺き替え」「屋根カバー工法」があり、どちらの方が良いのだろうと迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
　どちらも、屋根材は新しくなりますが「屋根カバー工法」と「屋根葺き替え」が違う点は、古い屋根材の行方です。

　古い屋根材を撤去してから屋根を新設する葺き替えに対し、屋根材をそのままの状態で工事ができるカバー工法なら、工期が短縮できます。

　屋根の面積や勾配、作業に携わる人員、天候…などによって日数に違いは見られるものの、工事日数の目安は、順調に工事が進んだ場合、
・屋根葺き替え…7～10日程度
・屋根カバー工法…5～7日程度です。

屋根葺き替えについて詳しくはこちら

1.廃材がほとんど出ないため低コスト
2.工期短縮でストレス軽減
3.二重の屋根材で防音性・断熱性が高まる

1.新たな屋根の重みがプラスされる
2.状況によってはカバー工事ができない

　屋根葺き替えと違い、既存の屋根材を撤去しなくても工事に取り掛かることができます。廃材は、棟板金や貫板などのみです。工期が短縮できるだけでなく、処分費用も抑えることができますので工事が低コストに済みます。

　屋根工事期間は騒音や人の出入りなどによるストレスが少なからずあるでしょう。工事が短く済むということは、その分の不便さやご近所へのご迷惑も軽減されます。

　「古い屋根材＋新しい屋根材」というように二重になることから、屋根カバー工法は「重ね葺き」とも呼ばれます。二重の屋根になるので「屋根にあたる雨音が聞こえづらい」「屋根からの冷気が伝わりづらい」など防音性や断熱性が高まります。

　これまでの屋根材に新しい屋根材の重みが加わります。屋根が重くなるため、耐震性に不安を感じられる方もいらっしゃいます。確かに、重量増は避けられませんが、少しでも負担を軽減できるように軽い金属屋根材などを選ぶことをおすすめします。

　現在の屋根の状況によっては、カバー工法が選べないケースもあります。屋根カバー工事は、「既存の下地・屋根材」の上から覆うような工事ですから、下地まで腐食などの劣化がひどく進行している場合、それを無視して新しい屋根を設置することができません。

こんな時は屋根カバー工事をおすすめ

塗装は雨漏りの根本的な解決とはなりません。とは言っても「屋根葺き替えは高額で決断できない」というケースも多いでしょう。そんなときには、下地の劣化具合を点検のうえ、屋根カバー工法を検討してみてください。

　屋根カバー工法は「塗装だけでは解決できない問題がある」、なおかつ「下地へのダメージが進行していない」ときにおすすめできる屋根リフォームです。下地材がひどく腐食していて、カバー工事に耐えられる強度ではないと判断された場合は、葺き替えを提案されるでしょう。

塗装だけでは解決できない問題＋下地へのダメージが進行していない場合は屋根カバー工法をご提案

・スレートが著しくひび割れ、欠けています。コロニアルNEOという、ノンアスベスト初期のとても強度の低い商品で、補修や塗装は不可能です。屋根カバー工事をご案内いたしました。

ノンアスベスト初期コロニアルNEOは強度が弱く塗装は不可能なためカバー工法をご案内

・台風の被害に遭われアスファルトシングルが大きく剥がれ落ちてしまいました。他の箇所も放っておけばどんどん剥がれてしまいそうです。築年数は短く、下地はしっかりとしていたため、ガルバリウム屋根材でカバーすることで修繕いたしました。

　屋根カバー工法の相場は、30坪ほどの平均的な住宅なら80～150万ほどです（足場代別途）。屋根の面積や形状、カバーする屋根材の種類、周辺の環境（足場を仮設しやすいかどうか）などさまざまな条件により工事総額は変わってきます。

その1：屋根面が多い、面積が広い

　切妻屋根や片流れ屋根などシンプルな屋根より、屋根の面が多く複雑な方が工程が増え費用も高くなりがちです。

　また、1階居住部分が広く、下屋が存在する場合などもその分面積が増えることになります。

その2：高品質の屋根材や防水紙を使用

　カバー工法の際、グレードや機能性の高い屋根材や防水紙を選ぶと費用は高くなります。

　なるべく安く抑えたいという気持ちはあるかもしれませんが、その分耐用年数が長い、快適に暮らすことができるなどの安心が得られます。

その3：足場の設置や運搬

　足場を組む面積が広い、3階建てなど屋根が高いなどの場合はその分足場費用が掛かります。

　また、「道路が狭い」「旗竿地」など資材搬入がしづらいケースでも費用が高くなる可能性があります。

詳しい費用については現地の確認が必要

　屋根カバー工事の費用は、それぞれの住宅の状況やどんな材料を使うかによって変わります。詳しいお見積りをお出しするには、やはり現地の確認が必要です。街の外壁塗装やさんでは、点検やお見積りは無料で行っております。費用についてもご不安な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

リフォームローンの活用

カバー工事ができる屋根・できない屋根

　屋根カバーによる工事は、すべての屋根に対して可能というわけではありません。

・カバー工法が可能な屋根材

　スレート、金属、アスファルトシングルは、基本的にカバー工法ができます。これらの屋根材のリフォームの際にはよく選ばれます。

・カバー工法が不可能な屋根材

　現在の屋根材が瓦のt場合、瓦が持つ特徴からカバー工法は不可能です。防水紙や新しい屋根材を取り付けるためには平らな状態でなければならず、波状の形をしている瓦の上から施工するのは現実的に難しいでしょう。
　また、そもそも重い屋根材である瓦屋根には、さらに別の屋根材の重量が加わるカバー工法は不向きです。

・新しい屋根材は基本的に既存屋根より軽いものを選ぶ

　屋根が二重になるカバー工法は、重量増加による耐震性が不安と感じる方も多いでしょう。そこで新しい屋根材の選択肢になるのが“今よりも軽い屋根”です。屋根材のなかでも最も重いとも言える瓦屋根は、カバー工法の新しい屋根としても選ぶことはできません。

2度目のカバー工法はできません

「カバー工法」の屋根リフォーム工事を2回繰り返すことはできません。

　1度目のカバー工法は「古い屋根＋新しい屋根」となり、重量は増すものの、軽い屋根材を選ぶことでそれほど耐震性が不安となるケースは少ないでしょう。しかし、2度目となれば、さらに屋根材の重みが加わり、住宅にとって大きな負担となります。そのため、カバー工法は“1度きり”しかできないのです。

太陽光パネルなどを取り付けたい時には注意が必要

　通常、太陽光パネルは、屋根材に穴を開けて架台を取り付け、その架台に太陽光パネルを設置し固定します。
　カバー工法で二重になった部分への固定には不安があるため設置を断られることがあります。

　「現在、太陽光パネルを取り付けている」、もしくは「今後太陽光パネルを取り付ける予定がある」などの場合、事前にどのように太陽光パネルを取り付けるべきか、そもそもカバー工事ができるのかについて確認しておきましょう。

火災保険を使いたいケースも注意

　台風や強風で屋根が剥がれた場合、修繕にカバー工法を選ぶと保険金申請の対象外となる可能性があります。火災保険で保険金の申請をする場合、「被害にあう前の状態に戻すこと」を前提とした見
積書を提出しなければいけないからです。

　また、台風や強風で被害にあった屋根は下地まで劣化している場合が多いことから、基本的には葺き替えが選択肢となります。

火災保険について詳しくはこちら

なぜ塗装リフォームだけではだめなのか

　「屋根が古くなってきた」と感じたとき、まずは屋根塗装リフォームを思い浮かべる方が多いでしょう。塗装はもっともコストをおさえられる屋根メンテナンスですが、「防水機能の維持と美観の回復」というのが主な目的です。

　屋根材の寿命を過ぎているケースでは、塗装をしたからといって屋根材の機能は回復しません。特にノンアスベストのスレート材であるパミールやコロニアルNEO等、劣化が激しく塗装ができない屋根材もあります。それに、防水紙や野地板まで劣化がある場合も、屋根材だけに塗装をしても雨漏りなどの屋根トラブルは解決しません。
　屋根塗装工事は、あくまでも「塗膜」というピンポイントの機能を回復することができるものです。

　「屋根から雨漏りがしているようだ」というケースなら、塗装を施したところで雨漏りがピタッと止まるわけではありません。そもそも「雨漏り」の原因は多岐にわたり、屋根まわりをきちんと点検したうえで状況に合わせた対処が必要です。
　しかし、業者のなかには、契約させたいばかりに「雨漏りは塗装をすれば直る」などと言ってくるケースもあるため注意しましょう。

塗装で雨漏りは直りません！

　屋根材や下地の寿命が訪れた場合に検討したいのが屋根カバー工法や葺き替えなど「屋根を新しくする」という工事です。
　そのうち、現在の屋根に重ねて施工できコストを抑えられる屋根カバー工法はおすすめです。

　塗装工事よりは費用が高くなりますが、新しい屋根材・新しい下地にできる屋根カバー工事なら、住まいを雨風から守るという屋根本来の役割を復活させることができるでしょう。

　屋根塗装、または屋根葺き替え・屋根カバー工事のどれを選ぶべきか悩んだときには、街の外壁塗装やさんへお気軽にご相談ください。

　カバー工法で設置する新しい屋根材は、既存の屋根よりも軽い素材がおすすめです。

軽量な金属屋根

　カバー工法では、軽い金属屋根がよく選ばれます。新たに敷く防水紙と合わせても、1㎡あたり約6キロの重量増しかないので、カバー工法で「耐震性を重視したい」という人におすすめです。
　錆びにくくコストパフォーマンスの良いガルバリウム鋼板製が主流です。

・施工例

　棟付近からの雨漏りで室内天井に染みができてしまったそうです。屋根に使われていたアスファルトシングルは苔が生え反りが目立ちました。
　月星ガルバリウムカラー鋼板SELIOS Primeを使用しカバー工事を行いました。

ジンカリウム石粒吹付け屋根材

　金属鋼板をベースに、表面に天然石粒が吹付けられた屋根材です。金属屋根材の軽量さを持ちながら、暖かみと高級感のある質感が魅力です。

・施工例

　スレートの割れがあり、築年数も30年と長いことからリフォームのご相談をいただきました。グレーのスレートは色あせ、塗膜の剥がれから素地がむき出しになっている箇所も見られます。ディートレーディング社のメリッサによるカバー工事をご提案いたしました。

お洒落なアスファルトシングル

　アスファルトシングルは、ガラス繊維基材にアスファルトを含有させてできたゴムのような素材です。北米でのシェア率が高い屋根材で、割れや腐食に強いという特徴があります。
　施工がしやすい素材であることから、カバー工法のなかでもリーズナブルに施工できます。

・施工例

　中古で購入した物件の雨漏りがひどく、お問合せをいただきました。築40年以上経っているとのことで、リフォーム時期と判断し、カバー工事をご案内。
　ニチハのアルマというアスファルトシングルです。比較的安価で防水性の非常に高い屋根材です。

外壁塗装と合わせて検討しましょう

　屋根カバー工事をするなら、外壁塗装も併せて行うことがおすすめです。
　雨漏りや経年劣化など屋根材の傷みに不安を感じる時期は、おそらく外壁塗装の必要性も出てくる時期と同じくらいでしょう。屋根と外壁、どちらのメンテナンスもお住まいには欠かせません。

　屋根カバー工事と外壁塗装工事を同時に行うメリットは「足場代が1回で済む」という点です。1回の設置で20万円程度はかかる足場代を2回で40万かけるよりは、1回で両方済ませた方が費用の節約になります。工事期間中のストレスも1回だけです。

　また、雨樋交換や修理、屋根周りの軒天や破風板の補修・塗り替えなども同時にできる工事です。使用する屋根材によっては、屋根面の高さが変わるために雨樋を直す必要もでてきます。

　お住まいの屋根や外壁の状態によって、必要な工事は異なります。
　「我が家はどんなリフォームをしたらいいのだろう」「カバー工法で選ぶ屋根材はどれがいいか」など気になる点がありましたら街の外壁塗装やさんまでお問い合わせください。
　無料点検にてお住まい全体を点検し、ご希望を伺ったうえでお客様のお住まいに合ったご提案させていただきます。

街の外壁塗装やさんの無料点検